講義録。その1。

4月から始まった同志社大学経済学部での講義も、明日で四回目(各回二時限であるので、8時限)である。
少し、それを紹介してみたい。


講座のタイトルは、「環境ビジネスと企業の環境戦略」であり、経済学部以外の学部生も受講可能となっている。
4月13日の開講時には、全体講義内容を下記のように構想してみた。
おそらく、大学側、学生が期待するのは、現役の環境政策コンサルタントとして実際に、政策立案や事業実施の場面での経験を踏まえたものであろうと考え、経験を踏まえた整理を基本としつつ、極力環境経済学での議論との連動性を考慮しようと考えた。


まず、講義の特徴を次のように設定した。
   理論よりも実践
   知識よりも考え方、思考方法
   過去、現在から未来


すなわち、理論よりも実践は、現役のコンサルタントとしての経験を基にした講演であるので、おのずとそうならざるを得ないし、それを特徴にしようと考えた。
次に、知識習得過多の現在の教育現場の状況を考え、できるだけ、知識を増やす方向よりも、考え方、思考方法も含めた講義にしようと考えた。
さらに、過去の知見や理論を活用することは当然であるが、現在から未来を見据えた視点を重視する方向とした。
そして、経済学のアプリケーションの一つである環境経済政策の実践事例を通じて、企業の取り組みの可能性と限界を把握することを目的として、次のような内容とした。


 1.具体的な実践事例(20年余コンサルティング実績)に基づくケーススタディ(CS)
       実際に行われた政策選択(政府の選択)
       企業取り組みを事例としての分析及び批判(企業、業界の選択)
       民間の非営利セクターの取り組みの分析及び批判
 2.日米欧の政策比較及び国際環境政策の現状と課題
 3.現在の政策課題をベースにした将来の方向性の検討